「谷風牛石」
むかしなぁ、仙台の南東さある七郷ちゅうとこさ力持ちで男勝りなおっかあがいたんだと。 ある時、おっかあが身ごもったもんでなぁ 「力の強い、丈夫な子をうみてぇなぁ」 っておもってなぁ、薬師堂の仁王様に願掛けすることにしたんだと。 百日もの間、まいばんまいばん夜中の丑の刻さたった一人でお参りしていたんだと。 いよいよ百日目の晩のことだった。 いつものようにおっかあが願掛けしに行ってみっとなぁ、門の前さ世にも恐ろしい大きな大きな牛が寝そべっていたんだと。 男勝りなおっかもさすがに立ちすくんだんだどもなぁ、 「ここぉ通らねば今までの苦労が水の泡になんべぇ」 と思ってな、目つぶって、思いきっていっぽ、いっぽ、前へ、前へ、牛をふんづけて門の中に入ったんだと。 やっとのことでお参りをすませて、帰り道、恐ろしい牛がいた門に行ってみるとそこには牛はいなくなり、ちょこんと石が置いてあったんだと。 のちに生まれた子供は丈夫に育って横綱になってなぁ、それが江戸の名横綱である谷風だったんだと。 村の人々は 「仁王様がおっかあの心をためすために石を牛に変えてためしたんだべなぁ」 って口々に言ったんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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