「小鶴の池」
むかしなぁ、ある長者の家さ住み込みで働いているおっかあがおったんだと。おっかあにゃあ病気で死んだおっとうとのあいだに小鶴とちゅうあかんぼがいてなぁ、そんなわけだか らおっかあが一人でまいにちまいにち、あかんぼを背負って朝から晩まで働いていたんだと。 長者はその姿を見て 「あかんぼ背負っているんだったら手間賃はやれんなぁ」 二、三人分働かされたりと、いじわるされていたんだと。 おっかあは何度死のうか考えたかわかんねぇけど、小鶴のため、小鶴のためとがんばって働いたんだと。んだども長者のいびりが続くもんだからなぁ、仕方なくおっかあは小鶴を家において仕事さでかけたんだと。 「小鶴や、少しの辛抱だからなぁ」 と小鶴をおいて仕事が終わるとすぐに小鶴のとこにかけつけて乳を与えたんだと。 そんなある日のこと、おっかあは長者からいいつけられた仕事が長引いたもんで夜更けにようやく終わったんだと。おっかあは急いで小鶴のもとにかけつけたんだと。そうしていつものように乳を与えようとしたらなぁ、飢えのためか小鶴の体が冷たくなっていたんだと。 おっかあは泣きわめきながら近くにあった池に身を投げたんだってなぁ。おっかあが池に飛び込んでからというものまいばんまいばん、 「小鶴やー… 小鶴やー…」 という声が聞こえるようになったんだと。 母子が身をなげた池を村人達が悲しんで「小鶴ヶ池」と呼んでいたんだけど、その池は涸れてしまったんだと。小鶴ヶ池があったところを母親の小鶴に対する思いから「愛子(あやし)」と呼ぶようになったんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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