オドガモリの狐
むかしなぁ、生出森になんとも化けるのが下手な狐がいたんだと。いっつもうまくばけようとするんだども、なんとも立派な尻尾を持っているもんだからそれをかくしきれねえもんでなぁ、まいにちまいにち化ける練習をしていたんだと。 そんな狐が村に下りてきたんだと。ちょうど村のもんは田植えの時期だったもんだからみいんな出払ってしまっててな、狐は悠々と村ん中を歩いていたんだと。その頃ちょうど田んぼから帰ってきた作兵衛が家ん中からおっかあの声がするもんでなぁ、 「おっかあは田んぼにいるのにどうしたんだべなぁ」 って不思議がってこっそりと裏口から家の中をのぞいたんだと。そうしたら、中にはたしかにおっかあがいるんだども尻尾から太い尻尾が見えていてなぁ、狐が作兵衛のおっかあに化けていたんだとな。作兵衛はとっつかまえようとすると様子を見ているとなぁ、おっかあに化けた狐は家ん中にいた赤ん坊の前に座ってなぁ子守唄を歌い始めたんだと。そう したらさっきまでぐずっていた赤ん坊はすやすやと眠り始めたんだと。それをみとどけた狐はもとの姿に戻って山に戻っていったんだと。 これを見た作兵衛は 「おらがいねえときに赤ん坊をあやしてくれてたとはオドガモリの狐は神のつかいなんじゃのう」 ってこの話を他の村人に話したんだと。んだども村人ん中には 「おらあ、酔っているときに化かされてお土産をとられたぞ」 「おらなんか風呂だと思って肥溜めにいれられたぞ」 ってなぁ、この話を影のほうから狐が聞いていてなぁ、 「人を化かしてはいけねえってあれほどいったのに」 って残念がっていたんだと。 んだどもこのオドガモリの狐だけは人間に化けては村人を助けていたんだと。んだども太い尻尾を隠す事はできなかったんだってな。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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