雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第三十七話 淵よもやまばなし 清四郎淵
清四郎淵


むかしなぁ、清四郎ちゅうそれはそれは働きもんの婿殿がおったんだと。ある日のこと清四郎が淵の岩場に足かけて、薪のために木を切っていたんだと。そしたら清四郎は足を滑らせてなぁ、うまく木の根にしがみついたから清四郎は無事だったんだども、鉈を淵ん中にに落としてしまったんだと。

「婿が鉈をなくしたってんじゃあ、家に帰れねぇ」

ってな。どうしたもんかと考えていたんだども、どうもこうもなんねぇから思い切って淵ん中に潜って探す事にしたんだと。清四郎は淵ん中に飛び込んでもぐっていくとなぁ、淵の底には鉈を持った美しい女性がいたんだと。清四郎は思わず女に見とれてしまってなぁ、一度上に上がろうとしたら

「まってください。もう一度もぐっていらしたら鉈をお返しいたします」

っていったんだと。

清四郎は一度水面に上がった後、すぐにもう一度淵ん中に潜ったんだと。んで、さっきの女がいたところに行ってみっと、そこにはもう誰もいなかったんだと。あたりを見回しているとなぁ、泥がぬくぬくと湧き上がったんだと。あっというまに淵全体が泥まみれになってなぁ、清四郎はあわてて水面に戻ろうとしたんだども体が麻痺したように動かなくなってなぁ、清四郎は二度と戻る事はなかったんだと。



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【2006/02/17 22:39】 | 民話(仙台市太白区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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