盗人松
むかしなぁ、盗人が一仕事終えてだぁれもいねえことを確認すると峠道にはえている一本の松の前で一休みしたんだと。ぷかーりたばこをすいながら今日の稼ぎを数えているとな、松にむかって 「俺が盗人だと言うことは誰にも言ってはわかんねぇぞ」 ってまさか松がしゃべるわけあんめいとおもったから何気なくしゃべったんだと。そしたらなぁ、 「おらはしゃべんねぇけど、おめぇがしゃべらねぇようにしろ」 って松の木がしゃべったんだと。これには盗人もびっくりしてなぁ、珍しいもんを聞いたって不思議がりながら帰っていったんだと。 それからどれくらいの月日が流れたのかのぅ。ある日なにくわぬ顔して盗人が村の人との雑談にまじってなぁ、ある村のもんが 「狐は人間を化かすからしゃべることができっけども木や草花はしゃべることができねぇだろ」 「いやいや、狐でさえもしゃべれっから木や草花もしゃべれっぺ」 って口論になっていたんだと。そしたらそれを聞いていた盗人は、 「俺が盗んだ帰りに松に俺が盗人だと言うことを誰にも言ってはわかんねぇぞ、っていったらちゃあんと松の木はしゃべって答えたぞ」 って口を滑らしたんだと。自分で盗人だと言ってしまったのに気がついてもあとの祭り、たちまち村人に抑えられてお役人に捕まってしまったんだと。 それからというものこの松を盗人松といわれてなぁ、大倉ちゅうところにはえていたんだども今では刈り取られてなくなってしまったんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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