「源兵衛淵 その2」
むかしなぁ、ある淵の上の方さ源兵衛ちゅうもんが住んでいたんだと。 ある夜中こと、 「源兵衛さーん、あけてけろぉ」 ときこえるもんでな、こんな夜中に誰だべぇと思い戸を開けると一人のおなごが立っていたんだと。 源兵衛は 「こんな夜になんのようだべか」 と聞くと、おなごは 「私はこの淵に住んでいるうなぎです。明日の晩に賢淵の蜘蛛が攻めてくるゆえ、あなたに助太刀をお願いいたしたくまいりました」 と聞いて源兵衛は真っ青になり 「おらだめだ。そんな助太刀だなんてできるはずがねぇべ」 と、断ろうとしたんだと。そうしたらおなごは、 「あなたはここに源兵衛が控えているぞ、と言ってくださるだけで結構です」 というもんだから、源兵衛はただ名乗るだけならばいいべ、と思い約束したんだと。 あくる晩、淵の方からはどーーーん、というものすごい音が聞こえていたんだと。すさまじい叫び声と、水がまるで大きな波のようにざぶざぶ音を上げていたんだと。源兵衛は恐ろしくなって家の奥に一晩中縮こまっていたんだと。 次の日、おそるおそる淵へ行ってみると川は一面赤く血に染まっていたんだと。恐ろしくなった源兵衛は家に帰ろうと玄関まで行ったら、すぐ玄関脇に大うなぎの首があり、この世のものと思えないほどの恐ろしい形相で源兵衛をにらんでいたんだと。源兵衛は一目見るなり気が狂い死んでしまったんだと。 それ以来なぁ、この淵を源兵衛淵と呼ぶようになったんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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