盗人神(民話)
むかしなぁ、おっかあとその子供の二人で暮らす家があったんだと。おっとうは子供が生まれてすぐに死んでしまってな。子供はサクっちゅう名前でな、おっかあは暮らしていくために山さ木を切る仕事をしていてな、サクを連れて行くと足でまどいになるもんだから、いっつも近くの草むらさ寝かしたんだと。 ある日のこと、いつものようにおっかあはサクを草むらさ寝かして仕事していたんだと。仕事が終わってサクを寝かしたとこさ行くとな、そこにサクの姿はなかったんだと。おっかあはあわてて サクーーーー、サクーーーーー ってあたりを探したんだどもどこにも見当たんなくてなぁ、おっかあはそれから山超えて谷超えて、サクが行きそうもねぇところまで探したんだと。三日三晩探したんだどもぜんぜん見当たんなくてなぁ、どうにもなんねえって思ったときに上のほうから おっかーー、おっかーー って呼ぶ声が聞こえたんだと。おっかあが上を見上げるとがけの上のくぼみさサクがいてなぁ、おっかあはあわてて崖登ったんだと。くぼみには葉っぱをしきつめてあってなぁ、その上にちょこんとサクがいたんだと。 「なしておめぇはここさいたんだ。さみしかったろぉ」 っていうとなぁ、サクはけろんとして 「さびしくねかった。おっかあがいてくれたもん。おっかあが歌うたったり踊ったりして楽しかったあ」 っていったんだと。 この話を聞いた村人は 「神様がさびしがっている子供をつれて遊ばせたんだなぁ」 って祠を作ったんだと。それからこの祠を盗人神と呼ぶようになってなぁ、いまでも愛子のひっそりとあるんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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