「つぶ貝の旅」
むかしなぁ、つぶ(たにし)が旅をしていたんだと。つぶはしばらく歩いてここはどこだかたずねたんだと。そしたら、 「ここは鈎取(かぎとり)だ」 と教えてもらったんだと。そうしたらつぶは、 「なに、金取り(かねとり)だと。金取られたら大変だ」 って、急ぎ足で鈎取を通り抜けたんだと。 つぶはしばらく歩いてここはどこだべなぁ、と思い近くにいたもんに聞いてみたんだと。そしたら、 「ここは人来田(ひときた)だ」 と教えてもらったんだと。そうしたらつぶは 「なに、人斬っただと。斬られたら大変だ」 って、またまた急ぎ足で人来田を通り抜けたんだと。 しばらく歩いているとここはどこだべなぁ、と思い近くにいたもんに聞いてみたんだと。そしたら、 「ここは茂庭町(もにわまち)だ」 と教えてもらったんだと。そうしたらまたまたつぶは 「なに、鬼の町だと。鬼に喰われたらたいへんだ」 ってあわてて山を駆け上がったんだと。そしたらあわてて登ったもんだから頂上についた時に勢いあまって斜面を転がっていったんだと。転げ落ちた場所が沼で、つぶは住み心地がいいもんだからその沼にすむことにしたんだと。それからというもの「つぶぬま」と言われていたんだけどもいつのまにか「坪沼(つぼぬま)」と呼ばれるようになったんだっ てさ。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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