興禅院の抜け首
仙台の北のほうさ興禅院っちゅうお寺があるんだども、昔は違うとこさあってなぁ、これはそのころのおはなし。 むかしなぁ、興禅院に一人のお坊さんがおったんだと。ある晩のこと、お坊さんが本堂でお経をあげていっとなぁ、首筋の後ろがなんだか冷たく感じたんだと。んだども気にしねえでお経を唱えていっと今度は目の前さ顔があらわれたんだと。お坊さんがよくよく見てみっとそいつは後ろのほうから首を伸ばしてお坊さんの首をぺろぺろなめていたもんでなぁ、お坊さんは腰を抜かしてしまったんだと。 それからというもの毎晩毎晩、本堂でお経を唱える坊さんの首をなめるもんだから気味悪くなって、とうとうお坊さんは寺から逃げ出してしまってなぁ。 その話がまわりにも伝わったもんだから興禅院のまわりのお里を今の興禅院のあっとこさ移してしまったんだと。 それからある日のことなぁ、炭焼き小屋から家さ帰る男がおったんだと。夜は気味が悪ぃもんだから急ぎ足で歩いていっとなぁ、目の前さ十ばかりぐれいのわらしっこが歩いていたんだと。男は 「こらこら、こんな時間に歩いてどこさ行く気だ」 って声をかけるとなぁ、わらしっこは男のほうさ振り向いたかと思うと首がするするするーって伸びてきてなぁ、男の鼻先にまで近づいたんだと。これには男たまげてしまってなぁ、その場で気を失ってしまったんだと。 村のもんは男が帰ってこねぇもんでみなで探しに行くとなぁ、興禅院があったあたりさ倒れていたんだと。村さ連れ帰ったんだども何日もしないうちに死んでしまったんだとさ。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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