雨傘屋の婆様
むかしなぁ、仙台原ノ町に雨傘屋さんがあったんだと。そこの床の間には焼き物できたおばあさんがちょこんと置いてあったんだと。この焼き物で出来たおばあさんは不思議なおばあさんでなぁ、雨傘屋の小僧さんが傘を直そうとしたんだと。そしたら糸がこんがらがってしまってなぁ、んでもそんなときはあわてねぇで 「糸屋の婆さん、糸屋の婆さんこんがらがった糸といてけさい」 って三べんとなえっとなぁ、焼き物で出来たおばあさんがひょっこりとやってきて手伝ってくれるんだと。 ある日のこと、雨傘屋かさ泥棒が入ってなぁ、色んな傘を風呂敷さ包んで盗もうとしたんだと。そして、もうそろそろ逃げっぺってんで風呂敷をかつごうとするとなぁ、急に重くなって持ちあげることが出来なかったんだと。泥棒は不思議がってなぁ、少し荷物を減らしてはもう一度持ち上げたんだどもなぜか持ち上げることが出来なくてなぁ、あれこれしているうちに一番鳥が鳴いちまったもんだからあわてて逃げ出したんだと。泥棒が逃げたのを見届けるとなぁ、風呂敷包みのなかから焼き物のおばあさんがひょこんとでてきたんだと。 また、ある日のこと、雨傘屋の末の娘が遊んでいたかと思うと急にいなくなってしまったんだと。家族やら店のもんが探しても見つけることが出来なくてなぁ、あれやこれやと探しているとひょっこりと末娘が帰ってきたんだと。どこさ言ったか聞いてみっとなぁ、 「婆様と一緒に町さいってきた」 ってニコニコしながら話したんだと。あわてて、床の間さいってみっと片隅のほうさ申し訳なさそうに小さくなっていたんだと。 そんなある日のことな、雨傘屋のお客さんが 「うちには床の間に焼き物のじいさまがいるでがんす」 っていうとなぁ、その日のうちに婆様の焼き物はいなくなってなぁ、近所のお客さんの床の間にあるおじいさんの焼き物の隣に並んでいたんだと。何回元の場所に戻してもすぐにおじいさんの隣さいくもんでなぁ、ついには雨傘屋もあきらめてしまったんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| ホーム |
|

