雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第七十三話 おさんこぎつね(宮城県)
おさんこぎつね


むかしなぁ、松島の石田沢っちゅうところさおさんこ狐っちゅう狐がすんでいてなぁ、道を通るもんをたぶらかしていたんだと。

ある年の暮れのこと、田町に住んでる五十集(いさば)屋っちゅう行商がなぁ、年越す準備の銭かせぐために塩釜さ行って魚をたくさん仕入れたんだと。そして雪の降る寒い日だったんだども一軒一軒
「魚いらねぇかぁ、魚いらねぇかぁ」
って売り歩いたんだども全然さばくことができなくてたくさんあまってしまったんだと。売り歩き続けていっと一軒のでっけぇ家があったんだと。見たことねぇ家だったんで不思議がったんだども魚を売らなきゃなんねぇからってんでその家さ入ったんだと。そしたらそこの家では全部魚かってもらったもんだからなぁ、銭っこかかえて家さ帰ったんだと。
家さかえって財布を見てみっとなぁ、あれだけもらった銭っこが全部葉っぱに変わっていたんだと。
こりゃあおさんこ狐に騙されたべ、って思ったらなぁ、戸口さ雪にまぎれて何かいたんだと。五十集屋はこっそりと鉄砲さ手をかけて

ずどーーーーん

って撃ったんだと。そしたら獣か何かが

ぎゃーーーー

って逃げていったんだと。雪の上さ血の後があったもんだから血のあとをたどっていくとなぁ、湯の原の沢をくだったあたりにある杉の木の根もとに狐の死骸があったんだと。これがおさんこ狐の最後だとさ。


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【2006/05/20 21:20】 | 民話(宮城県仙台市以外) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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