九枚莚
むかしなぁ、亘理のあるお屋敷があったんだと。この家さとついで来た嫁っこはとても働き者でなぁ、朝から晩までせっせとつくしていたんで近所にも評判だったんだと。んだどもこの家の姑が根性曲がりでなぁ、何かにつけて嫁っこに難癖をつけてたんだと。そのたびに嫁っこははいはい言いながら耐えていたんだと。 そんなあるひ、姑は嫁っこさ莚(むしろ)をかわかせるようにいったんだと。嫁っこは庭さ莚をきれいに10枚並べたんだと。そして嫁が莚から離れるとなぁ、こっそり見ていた姑がいちまい莚を抜き取って隠したんだと。 姑はさっそく嫁っこを呼び出して莚のことを問い詰めたんだと。嫁っこは 「一枚、二枚、三枚・・・」 って数えたんだどもなんぼ数えても九枚しかなくてなぁ、姑は 「おめえがいちまい莚を抜き取って売っちまったんだべ!このごうつくばりが!」 って嫁を攻め立てたんだと。 よめはまいにちまいにち攻められるもんだからとうとう井戸の中さ身を投げてしまったんだと。 それからというもの夜な夜な井戸から 「一枚、二枚、三枚・・・」 とそれはそれは恐ろしい声が聞こえるようになってなぁ、井戸の前を通るもんはいなくなり、家も次々と病気になったり発狂したりして途絶えてしまったんだと。 また、莚がひいてあった所だけは雨が降ってもぬれないっていわれてなぁ、わしらが小さなころはきもだめしで見に行ったもんだ・・・ まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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