雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第八十話 ひるめし
ひるめし


むかしなぁ、野々島っちゅうところに内海っていう長者どんがすんでいたんだと。
内海長者は舟を何十隻ももっていてなぁ、色んな所さ舟出していたもんだから、たいそう銭っこをためていたんだと。

この長者どんはよくばりでなぁ、朝から晩まで使用人を働かせてたんだと。ちょっとでも休んだりすると持っている杖で、
「もっとはたらけ、もっとはたらけ」
っていいながら使用人を殴りつけていたんだと。
んだども長者どんは朝は遅く起きては酒を飲みそれから朝飯を食べていたんだと。

ある日のこと、長者どんはいつものように朝ゆっくり起きて酒を飲み始めてなぁ、
朝飯を食おうとしたんだと。下女が朝飯持ってくるとなぁ、長者どんは
「なに蛭ば持ってくるやつがあるか」
って怒鳴り散らしたんだと。んだどもだれが見ても朝飯なんだども長者どんは蛭だってきかねえんだと。
んだもんだから、長者どんは今度は朝も寝続けて昼から起きて飯を食うようになったんだと。んだどもある日から
「なに蛭もってくるやつがあるか」
って怒鳴り散らしてなぁ、ちゃんとした昼飯をもっていったのに長者丼は蛭だってきかねえんだと。
しかたねぇもんで夕方までねて夕飯から食うことにしたんだと。んだどもいつのころからか長者どんには夕飯も蛭に見えてしまってなぁ、倉の中さたくさんの米が入っているのに何も食うことができずに死んでしまったんだと

この野々島にはこんなはやりうたがあるんだと。

朝寝するこは無限の鐘よ
朝の飯(まんま)が蛭(昼)になる


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【2006/06/05 18:53】 | 民話(宮城県仙台市以外) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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