狐とり弥左衛門
むかしなぁ、仙台の北五十人町に勝又弥左衛門っちゅう足軽が住んでいたんだと。 弥左衛門は狐がにおいかぎつけっと、ふらふらっと引き寄せられるもんでなぁ、その丸薬の中さ毒いれて狐を次々と捕まえていたんだと。 これには仙台の狐ちゅう狐が慌てふためいてなぁ、どうにかして弥左衛門に狐とりやめさせなきゃなんねぇってことになってな、狐たちが集まって知恵をしぼったんだと。 ある日のこと、弥左衛門のおっかあが妹の嫁入り先さいったんだと。その晩、弥左衛門が寝ようとすっとどんどんどんどん戸をたたく音がしてなぁ、何だべって戸をあけっとおっかあがいてなぁ、中さ入るなり 「おめえの狐とりのことを考えっと落ち着いて泊まっことができねぇ。無益な殺生なんかしねえでけろ。」 っていうんだと。弥左衛門は 「わかったわかった、もう狐とりはやめっから安心して寝てけろ」 っておっかあを布団中さ寝かせたんだと。そしてこっそりと丸薬を枕元においてなぁ。 次の朝起きてみっとそこにはなんともでっけえ古狐がくたばっていたんだと。 またある日のこと、弥左衛門が青葉城の裏林さ見回りしてっと前のほうから狩りからの帰りな伊達重村公が行列引き連れてやってきたんだと。弥左衛門はあわてて土下座したんだと。そしたら重村公は弥左衛門の前さ立ち 「そなたが弥左衛門か。そちがわしの獲物を先にとるとは言語道断である。今後は狐をとってはならぬぞ」 って言うんだと。弥左衛門はただただ平伏するばかりだったんだども、こっそりと重村公の懐さ丸薬をいれたんだと。 次の日の朝、弥左衛門が裏林さいってみっと、そこには前よりもでっけえ古狐がぶっ倒れていたんだとさ。 やっぱ弥左衛門にゃあかなわねえなぁ。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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