雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第八十八話 栄存法印 前編
栄存法印 前編


むかしなぁ、仙台の片平っちゅう所さある長沼家の屋敷さ笹町家の嫁っこが嫁いだんだと。主人と嫁っこは仲むつまじくてなぁ、二人の間にゃそれはそれは玉のような男の子をさずかったんだと。

ある日のこと、子守女が男の子をあやしているとなぁ一人の旅姿のお坊さんがやってきて子供を見つけてはニコニコと微笑みかけてたんだと。お坊さんは赤ん坊にほほえみかけながら子守女に
「かわいいお子さんじゃのう。どちら様の御子じゃ」
って聞いたんだと。子守女は
「このお屋敷の長沼様の御子でございます」
って答えたんだと。お坊さんは
「奥方はどちらからこられたのじゃ」
って聞くとなぁ子守女は
「奥様は笹町家と伺っております」
って答えたんだと。

そしたら旅の僧は今までの微笑から鬼のような形相に変わり
「笹町の血がまだ途絶えていないのか!」
って叫んだんだと。子守女は突然のことにびっくりしてなぁ、そしたら急に子守女に背負われてた男の子が急に苦しみだしてなぁ、あわてて屋敷んなかさ入って主人に報告しようとしたんだと。そしたら中は中で奥方も急に苦しみ出してなぁ、奥方、子供ともそのまま死んでしまったんだと。

この話を聞いた周りのもんはなぁ
「栄存法印の怨念がまだはれねえんだなぁ」
って噂しあったんだと。


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【2006/06/20 19:32】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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