雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第九十六話 赤倉山の大人その3
赤倉様のお怒り


赤倉様の招待は鬼神様といわれているんだども、詳しいことは誰もしらねえんだと。
んだども鬼神様って思われてっから赤倉の大人と違って人を近づけねぇようにしていたんだと。

ある日のこと、二人の村人がたけのこ狩りをしているとなぁ、大人の兄弟って言われているおやじさんとあったもんで一服しながら世間話をしたんだと。そしたら話の途中でなぁ
「赤倉沢にゃあ絶対に行ってはなんねぇぞ。あそこさ行けばとんでもねぇ怪我をすっからたけのことるんだったらここだけにしておけ」
って行ったんだと。
おやじさんとわかれた後なぁ、ふたりは
「あのぉおやじは自分でたけのことりてぇもんだからあんなこと言ったんだ」
ってなぁ、おやじさんのいうことも無視して赤倉山さ登って行ったんだと。そしたら目の前さたくさんのたけのこがはえていたもんでなぁ、二人は大喜びでたけのこを引き抜いたんだと。

そしたら地面が不気味にごごごごご、ってうなり始めたかと思うと黒い雲が地面からわきあがってなぁ、あっという間に空から雷やら土砂降りの雨がふりだしたんだと。これには二人ともびっくりしてしまってなぁ、あわてて山を降りようとしたんだと。んだどもこんなに強い雨が降っているもんだから中々すすめねくてなぁ、よ
うやく下ったときにはさっきのおやじさんとばったりあってなぁ、
「ほれ、おれがいったこときかねかったからこんな間に合うんだぞ。お前たちのせ
いでわしまでぬれてしまったじゃないか」
って文句言いながら山道をくだったんだと。

他にもなぁ、たけのこ狩りをしようとした若い衆が鳥海山さ行こうとしたんだと。
んだども途中で道に迷ってな、どこをどう進んだのかわかんねえんだどもようやく平地さついてみっとそこには一面たけのこがはえていてなぁ、みんな我先にたけのこがりをはじめたんだと。
 たけのこ狩りも一段落して昼飯をみんなで食おうとしたらなぁ、若い衆の頭の上をでっけえ丸太ん棒がぴゅーーーって飛んできたんだと。あわてて周りを見渡すんだども周りには若い衆以外誰もいねえもんでなぁ。どうしたもんかと思う間もなく次から次へでっけぇ丸太ん棒が頭をかすめるように次々と飛んできたんだと。
「こりゃあ大人のしわざにちげえねぇ」
ってんであわてて逃げ出したんだと。
そしたら今度は雷が鳴り出して雨がごうごうごうごうふりだしてなぁ、命からがらにげだしたんだと。

これを聞いた村人は
「あぁ、赤倉様がお怒りなんだべ」
っていうんだと。赤倉の大人じゃなくて赤倉の神様の仕業なんだってなぁ。



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【2006/07/04 21:21】 | 民話(青森県) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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