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第百九話 磐二、磐三郎ばなし その1

磐二、磐三郎ばなし


むかしなぁ、二人の女が山道を歩いていたんだと。一人はなんともめんこい姫っこでなぁ、もう一人は姫っこの乳母なんだと。歩いていっと目の前さ渓流が流れていたもんだからなぁ、そこで水を飲んでのどの渇きを潤したんだと。そしたら姫っこのお腹がにわかに痛み出したんだと。痛ぇ痛ぇって苦しんでんだどもあいにく持ち合わせの薬がなかったもんだなぁ、乳母は姫をその場さ残して来た道を引き返して薬を取りにいったんだと。

姫っこがうんうんうなっているとなぁ、目の前さ人影が見えたもんだから乳母が帰ってきたもんだと顔を上げてみっとなぁ、そこさ全身白銀の毛でおおわれた怪人がたっていたんだと。姫っこはあまりの恐ろしさに気を失ってしまったんだと。

乳母が薬を手に入れて姫っこがいる渓流さ戻ってきたんだどもな、どこにも姫っこの姿が見えねかったんだと。呼べども呼べども姫っこの姿や声がねえもんでな。乳母はこんなことならばおいてくるんでなかったって後悔してなぁ、ふらふらと滝の方さ足が向いてそのまま滝つぼに身を投げてしまったんだと。

そのころ姫っこが目を覚ますとそこは洞窟の中でなぁ、腹の痛みはすっかり治まっていたんだと。姫っこが目を覚ましたのに怪人は気がついてなぁ、姫っこの方さ近づいたんだと。よくよくみてみっと怪人は大きな猿でなぁ、姫っこさ近づいて木の実をわたしたんだと。姫っこは恐ろしかったんだども空腹のあまりその木の実にかじってみっとなぁ、それはそれはうめかったんだと。それからというもの大猿と姫っこは洞窟で暮らし始めてなぁ、二人の間さ男の子が二人授かったんだと。二人の男の子は磐二、磐三郎って名付けられたんだと。

続きはまた今度なぁ



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