雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第百十六話 山姥の麻糸
山姥の麻糸


むかしはなぁ、どこの家でも麻を育てて麻糸をつくって布を織ったりしていたんだと。んだどもなぁ、津軽のあるところさある家では病気のおっかぁ一人、その娘っこの二人暮しだったもんでなぁ、麻を育てる事ができなかったんだと。んだから、周りから麻糸を作る仕事をもらって細々と暮らしていたんだと。

ある日のこと、娘っこが糸車まわしてきっごんばっこん麻糸を作っていたんだと。
そしたら、突然戸がガラガラと開いてなぁ

奥山の笹原 夜も昼も暗い道だ

って歌いながら山姥が入ってきたんだと。そして娘っこのそばさある麻を見つけるとなぁ
「ややや、これはおらの好物の麻じゃねえか。おら何も食っていねぇから食わせろ」
っていうやいなや麻をむしゃむしゃむしゃむしゃってみんな食っちまったんだと。
そしたら娘っこは涙を流しながら
「その麻がおらの家のもんだったらなんぼでもくわせんだども、それは人の家からのあずかりもんでな、麻糸をつくらねぇとおっかあの薬をかえねぇんだ」
っていったんだと。
それを聞いた山姥は
「そいつは、悪いことをした。そんならこれば引っ張れ」
っていうとな、口ん中から糸をだして糸車にまかせて、娘っこにまわさせたんだと。

それからというもの、山姥は次の日もその次の日も

奥山の笹原 夜も昼も暗い道だ

って歌いながら娘っこの所さきては麻糸を吐き出したんだと



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【2006/08/19 21:28】 | 民話(青森県) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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