アバラ三十郎
むかしはなぁ、青森の西の方さある岩崎村っちゅうところにな、三十郎というそれはそれは働きもんの若者がいたんだと。しかも困った村人をみっと放っておけなくてなぁ、村のもんが病気の時でも 「おらが畑仕事やってやっぺ」 って手伝ってあげてなぁ、そりゃあ村のもんから慕われていたんだと。 ある日のこと、三十郎が山さわらびとりにいったんだと。ちょいと一休みってなもんで川岸でうとうとしているとなぁ、夢ん中さ山の神があらわれてこういうんだと。 「これ、三十郎。おぬしは困った人を助け、真に感心じゃ。ほうびに大力をあたえよう」 っていわれたんだと。三十郎は目を覚ますとなぁ、妙な夢をみたもんだと川さ手ぬぐいをひたして絞ったんだと。そしたら手ぬぐいがまるで紙のようにびりびりびりびりってなぁ、力いれてねぇのに破れてしまったんだと。夢が本当だったんだってびっくりしてなぁ、村さ戻ってから三十郎は今までにもまして山の神からもらった力で人々を助けたんだと。そしたらいつの間にか三十郎のあばら骨が一枚板のようにくっついてしまってなぁ、誰からともなくアバラ三十郎って呼ばれるようになったんだと。 そしたらな、アバラ三十郎の噂が江戸の力持ちの男の耳さはいってなぁ 「そんなら力比べでアバラ三十郎をへしおってやるべ」 ってんで江戸からわざわざ100貫もするいかりを肩さかついで岩崎村までやってきたんだと。そして三十郎の家の前で 「おうおう、わしは江戸一番の力持ちじゃ。津軽の力自慢三十郎と力比べにやってきたぞ」 ってそれはそれはでっけぇ声で叫んだんだと。あまりにもでっけぇ声なもんで三十郎のおっかあはこりゃあ三十郎はかなわねぇって思いながらも 「ちょっとまってけさい、今呼んでくっから」 って浜さいる三十郎を呼んで来たんだと。三十郎は男が担いできたいかりをみて 「これはなんだべ」 って聞いたんだと。男は 「こりゃあこうもりがさがわりにさしてきたもんじゃ」 っていうとなぁ、三十郎はいかりを抱えると 「こうもりがさなら家の中ではしぼませるもんだべ」 ってんで鉄でできたいかりをぎゅーーーー、ってしぼめてしまったんだと。これには江戸の力持ちはたまげてしまってなぁ慌てて逃げ出してしまったんだと。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
おもしろいのが、ありましてたのしかつたです。またできたらみせてください。
【2007/09/26 15:11】
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