雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第百二十話 天沼の主
天沼の主


むかしはなぁ、作並っちゅうとこさ天沼っちゅう沼があったんだと。この沼に主が住んでいてなぁ、よく人を惑わしていたんだと。里の男の姿をみつけっと、若けぇ娘っこさ化けては沼ん中さ入ってなぁ
「あーーーれーーー、だれかたすけてくんろーーー」
って助けを求めるんだと。男は驚いて沼ん中さ入って助けようとするとな、娘っこは男の足をつかんではそのまま沼の奥底さ引きずりこんで殺してしまうんだと。

この話を聞いた熊ヶ根さ住む上の寺和尚さんはなぁ、なんとかしなけりゃなんねぇって草木を踏み分けて天沼の前さ立つと沼さ向かって
「おーーい、主殿ーーー、どうして罪もねぇ人を殺そうとするんだ」
って叫ぶんだと。そしたら沼のそこからぶくぶくぶくぶくって若い娘っこの姿をした主が和尚さんの前さあらわれてなぁ、
「わたしは長年この湖で一人で住んでおりました。人恋しくて、男が近づいてくるとこの心を抑えきれず若い女さ化けてしまうのです。和尚様、この私を哀れだと思われましたら、和尚様の功徳によりこれまでの悪行を消して人間に生まれ変わることができたのならば、こんな恐ろしいことを重ねたでしょうか」
って嘆くんだと。

和尚さんはこの話を聞いて哀れに思ってなぁ、七日七晩祈祷をした水を与えたんだと。それを主に与えるとなぁ、主は若い娘っことして生まれ変わったんだと。主はなんどもなんども和尚さんにお礼をいうと、どこかへ去ってしまったんだと。


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【2006/08/27 20:32】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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