雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第百三十二話 弥三郎節
弥三郎節


むかしなぁ、青森の下相野っちゅうところに弥三郎ちゅう百姓と母親が住んでいたんだと。弥三郎が年頃になっとなぁ、こりゃあ嫁もらわねばなんねえってんでなぁ、隣の大開から嫁っこをもらったんだと。



一つアエ 木造新田の下相野 
村のはずれコの弥三郎ァ家 アリャ弥三郎ァエー
  
二つアエー 二人三人と人頼で
大開の万九郎から嫁貰た アリャ弥三郎ァエー



大開からなんとも器量がええ娘っこが長持やら嫁入り道具をもって弥三郎の家さ嫁いだんだと。んだども母親と嫁っこの気があわねえもんでなぁ、嫁っこは朝日が昇る前から起きて夜は皆が寝静まるまで働くんだども、やれ仕事がおせぇだのと嫌味ばかりいわれるんだと。



三つアエ 三つ物揃えでもらた嫁 
もらてみたどご気に合わぬ コレモ弥三郎ァエー
  
四つアエー 夜草朝草かがねども
おそぐ戻れば叱られる アリャ弥三郎ァエー



んだども嫁っこが姑さ気に入られようと働けば働くほど、姑は嫁っこのあることないことあたりかまわず言いふらすんだと。それどころか嫁っこさ無理難題ふっかけるんだと。嫁っこは今まで以上に働かねばなんねえもんでなぁ、髪さつける油っこさえもつけさせねかったんだと。




五つアエ いびられはずがれにらめられ 
日に三度も口つもる コレモ弥三郎ァエー
  
六つアエー 無理な親衆に使われで
十の指こから血こ流す アリャ弥三郎ァエー

七つアエ なんぼ稼いでも働いでも 
つける油こもつけさせね コレモ弥三郎ァエー
  
八つアエー 弥三郎家こばれ陽こ照るな
藻川の林こさも陽こてらね アリャ弥三郎ァエー



嫁っこは我慢に我慢を重ねたんだども、姑の嫁いびりはますますひどくなってなぁ、ついには嫁っこの長持ちや嫁入り道具を外さ投げ捨てると
「おめぇのような嫁なんかもういらねぇ!でてけぇ」
って怒鳴って嫁っこを追い出したんだと。嫁っこは長持ちの上さ座るといままでのことを思い出したのか泣き出してなぁ、搾り出すような声でこう歌ったんだと


九つアエー ここの親だちみな鬼だ
こごさくる嫁みな馬鹿だ アリャ弥三郎ァエー




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【2006/09/24 19:52】 | 民話(青森県) | トラックバック(0) | コメント(3) |
<<第百三十二話 弥三郎節の背景 | ホーム | 第百三十壱話 大年寺と大あくびの背景>>
コメント
こんにちは、さーこと言います。初めまして。
私は木造出身で、小さい頃に聞いた弥三郎節の歌詞が気になってネットで検索してところこちらのブログをみつけました。
そこで一つ質問があります。8番の歌詞で「藻川の林こさも〜」とありますが、これはどうして藻川なんですか?何かエピソードがあるんでしょうか?もし知ってらっしゃったら教えてください。
【2007/01/01 18:09】 URL | さーこ #-[ 編集]
このたびはコメントをいただきましてありがとうございます。

色々と私も調べているのですが、歌詞にも色々な説がありまして今回はその中の一つを紹介した形です。
詳しいことはわたしも現在調べている状況です。まだ、青森に来てまもないものでして詳しいことがあまりわかりません。
現時点ではお答えできませんが、そのようなエピソードが見つかればご報告いたします。
【2007/01/03 00:03】 URL | くげ #-[ 編集]
お返事ありがとうございます。
弥三郎節にもいろんな説があるんですね〜知れば知るほどおもしろいですね!
これからもたまにブログ見に来ますね。
【2007/01/03 17:14】 URL | さーこ #-[ 編集]
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