釜神さん
むかしなぁ、あるところさ心やさしいじい様と欲たかりのばあ様がいたんだと。じい様が山さ芝刈りしているとなぁ、目の前さほら穴を見つけたんだと。じい様はこの穴に山賊が住み着いちゃなんねぇって考えてなぁ、鎌とりだすと周りの柴を刈っては穴にふたをすることにしたんだと。 じい様が柴を刈っては穴さ、刈っては穴さ投げ入れたんだどもいくら柴を中さいれてもすいすい引き込まれていったんだと。不思議におもったじい様が中をのぞいてみっとなぁ中には若い娘さんがいたんだと。じい様がおどろくとなぁ、娘さんは 「柴をたくさんありがとうございます。お礼にこの子をさしあげます。名前をヒョウトクといいます」 ていうとすうっと娘さんの姿が消えて、目ん玉がギョロリとして口がひんまがったわらしっ子がいたんだと。おじいさんはどうしたらいいかわかんねかったんだどもとりあえずわらしっ子を家さ連れて帰ったんだど。 家に着くと欲たかりのばあ様からあれやこれやと文句言われたんだどもじい様はほっとけねえってことで、家ん中さいれたんだと。ヒョウトクはいろりのそばさあぐらかくとヘソばかりいじっていてなぁ。あまりいじるもんだから、じい様は 「ヒョウトクや、ヘソをいじるのはやめろや」 といって思わず火箸でヘソをつついたんだと。そうしたら、へそからころりと光り輝くもんがでてきてなぁ、よく見てみっと黄金の粒だったもんだからたまげてしまったんだと。ばあ様はよろこんでへそをつつこうとするとなぁ、 「なんどもへそをつつくのはかわいそうだからやめろや」 ってばあ様を止めたんだと。 次の日じい様がいつものように山さ芝刈りさでかけたんだと。じい様が出かけたのを見届けっと欲たかりのばあ様がヒョウトクのへソを火箸でつついたんだと。そしたら黄金の粒がコロリと落ちてきてなぁ、ばあ様は何度も何度もヒョウトクのへそをつついては黄金の粒をかき集めたんだと。んだども何度も何度もつついたもんだからヒョウトクのへそがどんどんふくらんできてなぁ、とうとう死んでしまったんだと。 山から帰ってきたじい様はそのことを聞いてなぁおいおい泣きながらヒョウトクを裏山さ葬ったんだと。その晩のこと、じい様が寝てるとなぁヒョウトクが夢枕に立ってなぁ、 「じい様、悲しむことねぇ。おいらの顔をお面にして柱にかけてくれればずっとじい様を守る」 って言ったんだと。 じい様はさっそく次の日になっとヒョウトクの顔の形をしたお面を彫って土間の太い柱にかけたんだと。それからはというもの、じい様は前にも増して幸せに暮らしたんだと。 それが、家を守る釜神さんになってなぁ、ほれ、ヒョウトクでなくひょっとこと言えばいいんだな。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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