ざくろ千粒
ざくろを食べたことあんべ?ざくろの中にいくつ粒があるかわかるべか。じつはなぁ、ざくろには千粒もの粒があると決まっているんだと。そんなに細かく数えられても保証はしないけどなぁ。 むかしあったけんど、ある村で毎日一人ずつ鬼にこどもがさらわれていたんだと。さらわれたこどもは鬼が育てている千匹の鬼に細かく切って食わせてそだてていたんだと。毎日こどもが一人ずついなくなるもんだから村人はたいそう困ってなぁ。 それをみていたお釈迦様がどうにかすんべと思ってなぁ。鬼が村に行ってこどもをさらいに行っている間になぁ、鬼の子供を一匹隠したんだと。 そんなことなどしらねぇでなぁ、鬼はさらったこどもをさっそくきざんで食べさせようとしたんだと。んだけども、なんど数えても鬼のこどもは九百九十九匹しかいなかったんだと。鬼はなぁ、狂ったようにこどもを捜したんだと。 「おらの、かわいいやろんこはどこだあー」 そうしたら目の前にお釈迦様が現れてなぁ、 「おまえが探しているこどもはここにいるぞ」 といって隠していた鬼のこどもを目の前にだしたんだと。 「あぁ、おらのかわいいやろんこ」 といって鬼は喜んだんだと。それをみたお釈迦様はなぁ 「これ、鬼よ。自分のこどもは千匹もいるのに一匹いなくなっただけでそれほど騒ぐならば、人間のこどもをさらわれたら、その親の気持ちはわかるべなぁ」 「わかった、これからは人間のこどもをさらうのはやめる。んだども、鬼の子供は人間のこどもじゃなけりゃあそだたねぇ。どうすればいいんだべ」 っていううんだと。そうしたらお釈迦様はなぁ 「それならばこのざくろを食べるといいべ。中に千粒の身があってなぁ、皮は人の皮の味、実は人の肉の味がするんでなぁ」 ていうもんだから鬼は喜んで、それからというものこども千匹を立派に育てたんだと。 それを見たお釈迦様は感心してなぁ。「鬼」なのに「子」を「母」として立派に育てるもんだから「神」にしたんだと。それが今でも子育ての神として奉られている「鬼子母神」なんだなぁ。 んだからなぁ、こどもを育てる事のできねぇ親はなぁ、鬼にも劣るんだと。普通だったら鬼にも劣るなんていうんだども、鬼でさえも千匹のこどもを立派に育てるから鬼にも劣るってなもんで「人でなし」っていわれるようになったんだと。 どんとはれ まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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