釜淵
遠野の河童は赤いけども仙台の河童はちょっとした水溜りにでも住んでいるんだと。んだから水溜りなんかに小便なんぞするもんじゃねぇぞ。 むかしあったけんど、温泉で有名な秋保の川にいつの頃からか釜淵っつう大きな釜の形をした淵に河童が住んでいたんだと。その河童は大の相撲好きでなぁ、道行くもんに相撲を挑んでは打ち負かせて淵ン中に引きずり込ませて殺していたんだと。 ある日…なんつうしこなか忘れたけんどもある相撲取りが弟子を引き連れて釜淵を通りかかったときのことだったんだと。 あたりは夜なもんだから周りは暗くてなぁ、釜淵の岩に河童がいてなぁ。 「どうだい、おいらと相撲をとらねぇか」 っていうんだと。相撲取りは河童なんぞに負けてらんねぇ、って岩の上にお互いがのぼって相撲をとりはじめたんだと。 最初はいい勝負だったんだどもだんだん旗色が悪くなってきてなぁ、ついに淵ン中に どぼーん って、落とされてしまったんだと。それに続いて河童も淵ン中に入ってなぁ。弟子は一部始終みて胆つぶして逃げ出したんだと。それから二三日して相撲取りの水死体が秋保大滝にあがったんだと。 この話を聞いたあるお侍さんがなぁ 「わしが一刀のもとに斬ってしんぜよう」 っていってなぁ。やめたらいいものを釜淵に行ったんだと。そこに河童がいてな、河童にむかって斬りつけたんだと。お侍さんの刀さばきははやいんだども、それ以上に河童の動きは速くてなぁ。だんだんお侍さん拉致があかねぇもんだから今度は河童と相撲を取り始めたんだと。そうしたら、河童は相撲が得意なもんだからお侍さんを投げ飛ばしてな、釜 淵に ザブーン ってな、また三日後に秋保大滝にお侍さんの死体があがったんだと。んだから釜淵には近寄らないようにしたほうがいいべなぁ。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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