雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第二十三話 荒町よもやまばなしその1 鐘付堂
鐘付堂


毘沙門天様を荒町のわらしたち(子供達)が見つけたことはまえに話したのぉ。

荒町のわらしたちが川で遊んでいるとな、川の底に毘沙門天様を見つけたんだと。それを見つけたわらしたちはおもしろがってな、それをおみこしのようにわっしょいわっしょいっと担ぎながら遊んでいたんだと。
それを見た大人たちはたいそうたまげてな

「これ、毘沙門様をおもちゃにすんでねぇ。ばちあたったらどうすんだ」
って怒ったんだと。わらしたちは青くなってな、毘沙門天様を置いて逃げてしまったんだと。んだども毘沙門天様はわらしたちに拾ってもらったものだからいくさの願かけには耳をかさないんだども荒町のわらしたちの願いには耳をかしたんだと。

ある日大人たちが集まってな、毘沙門天様をお奉りするのだから立派な鐘付堂を作ることにしたんだと。んだども鐘を運んだのはいいが持ち上げる事ができなくて困っていたんだと。その時にわらしたちはなぁ

「おらだったら牛ぐらいの石持ち上げるのになぁ」

っていうもんだから、だめでもともとわらしたちにきいたんだと。

「まず鐘の頭さ綱つけてひっぱると斜めになんべ。そこに板をはさむんだべ。今度は反対をひっぱって板を差し込む、これを何べんもすればうえにあがるべ」

って教えたんだと。そうしてできたのが鐘付堂なんだと。
これを見ていた毘沙門様は感心してな、わらしたちの願いをかなえてあげようとしたんだと。そうしたらわらしたちは

「おらたち、あかんぼの世話ばかりで遊ぶ時間がねえもんだからおもりしないようにしてけろ」

っていったんだと。毘沙門天様はこの願いを聞き入れてな、それからというもの荒町のわらしたちにはおもりをさせないならわしになったんだと。


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【2006/01/04 17:05】 | 民話(仙台市若林区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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