「おせん地蔵」
むかし、ある村さじいさまとおせんちゅうむすめがいたんだと。おせんの母親は小さい時に死んでしまってなぁ。そこでじいさまが村を巡礼しながら供養のためのお金をためていたんだと。 そんなある日のこと、お金がだいぶたまったので 「これで立派な供養することができるべなぁ」 と、夜道であるにもかかわらず急いで家路に向かい歩いていたんだと。 ところが、目の前に山賊があらわれてたもんでなぁ、 「どうか命ばかりはたすけてくんろ」 と、じいさま必死に頼み込むんだども山賊はそんなこと耳も貸さず、あっというまにじいさまを切り捨ててお金を奪ったんだと。 それを知ったおせんは嘆き悲しんでなぁ、それからというものまいにちまいにち墓にいっては両親の供養につとめたんだと。 んだども、その様子を山賊が見ていてなぁ 「じじいがあれだけ金を持っているんだからむすめも金を持っているに違いねえな」 と考えて、おせんが墓に向かってお経を唱えている背後にそっと忍び寄り刀をふりおろしたんだと。 そしたらどういうことか、刀が折れてしまい娘の姿がすぅーときえてしまったんだと。驚いた山賊は一目散に逃げてしまったんだと。それからというもの毎日幽霊のようにおせんがすぅーとあらわれては一番中お経を唱えたんだと。 山賊は気味が悪くなったが幽霊の正体を見極めねばと思ってなぁ、おせんが出るのをまっていたんだと。 山賊は物陰に隠れて夜になるのを待っていたんだと。夜もふけた頃におせんがすぅーっとあらわれてお経を唱えはじめたんだと。山賊は確かにおせんの幽霊がいるを確認してから、そぉーっと近づいて、えいやぁーっと刀で斬りつけたんだと。そしたらまたまた刀が折れてしまって、またまたおせんの姿がすぅーと消えてしまったんだと。 山賊は慌てて逃げたんだってな。翌朝おせんがいた場所に行ってみるとそこにはお地蔵様がいたんだと。おせんを守ったのはちかくにまつられていたお地蔵さまでな、それからこ のお地蔵さまを「おせん地蔵」と呼ぶようになったんだとさ。 そうそう、悪いことできねぇもんでな、山賊はとうとう捕まっていまい首を切られたんだと。その首は地蔵さまの傍らにうめられたんだとさ。 え?おせんの幽霊はどうなったかって?おせんは幽霊になんかなっていなくてなぁ、まいにちまいにち両親のお墓にお参りに行っていたんだとさ。山賊の話なんてちーっとも知らないってさ。 まんが日本昔ばなしの本をお探しの方はこちら ![]() |
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