雨月民話風呂
メールマガジン民話万象でご紹介いたしました民話の再編集や、時節に応じました民話の紹介を行っております。 また、時折雨月物語についてもふれていきたいと思います
第十九話 きつねよもやまばなし 高松狐
高松狐


むかしといっても伊達家も末のことなんだと。仙台の高松というところに一匹のいたずら狐がいたんだと。色々と人を化かすもんだから里の人は困っていたんだってなぁ。

ある山伏がな、修行の途中に高松を通りかかると一匹の狐が寝ていたんだと。山伏はいたずら心を起こしてな、もっていたほら貝を狐の耳にそっと近づけて思いっきり

ボォーーーーー

って吹き鳴らしたんだと。狐はたまげてしまってな、びっくり仰天飛び上がって慌てて逃げてしまったんだと。その様子を見ていた山伏はげらげら笑いころげたんだと。

その時にお殿様の行列が

「下にー、下にー、」

ってやってきたもんだから慌てて山伏は土下座したんだと。そうしたらお殿様のかごが山伏の前に止まってな

「怪しいやつめ、ひっとらえろ」

って言うもんだから家来はさっと山伏をつかまえてな、有無をいわさず叩き始めたんだと。山伏は痛くて痛くてしょうがなくてな

「許してけれ、やめてけろ」

て、いうんだども一向にやめようとしなかったんだと。あんまりにも痛ぇもんだからわんわん泣いてしまってな。もう、骨もくだかんばかりだったんだと。
そんときに、はっ、と気がついて見てみるとまわりには墓石ばかりでな、泥まみれになって寝そべっていたんだと。

「あぁ、高松狐にしてやられたべ」

だってさ。

そんな高松狐にも最後の時がきてな、高松狐のいたづらがあんまりにもひどいもんだから、ある武士がが退治しに行ったんだと。
ある夜のこと、暗いはずなのに着物姿の人がぼんやりと見えたんだと。これが狐に違いないと確信してな、その場でいきなり斬りつけたんだと。そうしたら、ぎゃー、って大声を出して倒れたんだと。そうしたら神通力がとけたのか狐の姿になって倒れたんだと。

その夜は狐が斬られたあたりに狐火がたくさんでてな、

「こーん、こーんっ」

と狐の鳴き声が一晩中やまなかったんだと。
次の日に狐が斬られたあたりに行ってみると松の根元に出来たばかりの塚があってな、狐達が高松狐を埋葬したんだろうという話だったんだと。


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【2005/12/23 22:12】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
第八話 淵よもやまばなしその3 源兵衛淵 その2
「源兵衛淵 その2」


むかしなぁ、ある淵の上の方さ源兵衛ちゅうもんが住んでいたんだと。

ある夜中こと、

「源兵衛さーん、あけてけろぉ」

ときこえるもんでな、こんな夜中に誰だべぇと思い戸を開けると一人のおなごが立っていたんだと。
源兵衛は

「こんな夜になんのようだべか」

と聞くと、おなごは

「私はこの淵に住んでいるうなぎです。明日の晩に賢淵の蜘蛛が攻めてくるゆえ、あなたに助太刀をお願いいたしたくまいりました」

と聞いて源兵衛は真っ青になり

「おらだめだ。そんな助太刀だなんてできるはずがねぇべ」

と、断ろうとしたんだと。そうしたらおなごは、

「あなたはここに源兵衛が控えているぞ、と言ってくださるだけで結構です」

というもんだから、源兵衛はただ名乗るだけならばいいべ、と思い約束したんだと。

あくる晩、淵の方からはどーーーん、というものすごい音が聞こえていたんだと。すさまじい叫び声と、水がまるで大きな波のようにざぶざぶ音を上げていたんだと。源兵衛は恐ろしくなって家の奥に一晩中縮こまっていたんだと。

次の日、おそるおそる淵へ行ってみると川は一面赤く血に染まっていたんだと。恐ろしくなった源兵衛は家に帰ろうと玄関まで行ったら、すぐ玄関脇に大うなぎの首があり、この世のものと思えないほどの恐ろしい形相で源兵衛をにらんでいたんだと。源兵衛は一目見るなり気が狂い死んでしまったんだと。
それ以来なぁ、この淵を源兵衛淵と呼ぶようになったんだと。



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【2005/11/19 17:23】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
第七話 淵よもやまばなしその2 鳴合淵
「鳴合淵」


源兵衛淵の大うなぎはなぁ、昔はもっと上流の淵に住んでいたんだと。そこは今よりも広く上流なもんだから水がきれいだったんだと。

それをうらやましく思った河童がなぁ、

「この淵はおいらが住むから、おめぇはどっか別のところヘ行け」

といったんだと。
大うなぎはせっかく住みなれたとこを離れる筋合いはねぇもんだからって拒んだんだと。んなもんだからな、河童は大うなぎにいくさをしかけたんだと。
戦いは三日三晩続いたんだけども、河童がすきをついて大うなぎにとどめをさしたんだと。
大うなぎはたまったもんじゃねぇから

「ぎゃーーーーーーーーーー」

ってでっかい声出して逃げたんだと。それからというもの大うなぎはさっき話した源兵衛淵にすむようになったんでなぁ。
そして、うなぎの叫び声から「なきあい淵」とよんでいたんだけども、いつのまにか「鳴合淵(なりあいぶち)」と呼ぶようになったんだってなぁ。
【2005/11/17 17:17】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
第七話 淵よもやまばなしその2 源兵衛淵 その1
「源兵衛淵」


むかしなぁ、いっつもお盆の時にだけやってくるお坊さんがおったんだと。坊さんはなぁそのたび読経をあげて盆棚の御下がりを食べていたんだと。毎年、毎年やって来るんだど
も、全然としをとらねぇからまわりの者は不思議がっていたんだと。

ある年の盆のこと、坊さんが源兵衛さんの家でお経をあげおわり御下がりの麦飯を食べている時になぁ。若けぇもん達が集まって近くの淵に毒を流して魚を取る相談をしていたんだと。
これを聞いた坊さんは

「いいか!おめぇたち!盆というものはな供養をするもんだぞ。殺生をするなんぞやるもんじゃねぇ!!!」

と、今までにない形相で怒りさっさと帰っていったんだと。
源兵衛さんは、あんなに怒った坊様が心配で急いで後を追ったんだと。そうしたら、淵のあたりにいたんだけども、すぅーっと姿が消えていったんだと。

あくる日、坊さんの言葉なんか気にしない若けぇもんらは川をせき止めて毒を流したんだと。そしたら大小様々な魚と一緒に見たことがねぇでっけえウナギが浮かんできたんだと。若けぇもんはさっそくウナギの腹を裂いたんだと。
そしたら、中から源兵衛さんとこで食べた麦飯が出たんだと。若けぇもんたちはあの坊さんが大ウナギだったことに気がつきふるえが止まらなかったんだってなぁ。
坊さんがすぅーと消えたあたりを源兵淵というようになったんだと。
【2005/11/16 17:15】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
第六話 淵よもやまばなし その2 藤助淵
「藤助淵」


賢淵から少し下ったとこになぁ、これまた深い淵があったんだと。

ある日、藤助という若もんが淵で釣りをしていたんだと。
そしたら

「藤助…、藤助…」

と声がするもんだから、まわりを見渡したんだと。んだけどまわりには誰もいないんで、また釣りをはじめたんだと。

そうしたら、またまた

「藤助…藤助…」

って、声がするんでよーく耳をすましてみると水面から聞こえてきたんだと。

「藤助は俺だが、なんか用か」

って叫ぶと、淵から声が聞こえたんだと。

「おれは昔からこの淵に住んでいるうなぎだが、明日の晩に賢淵の蜘蛛が攻めてくる。声を立てられると俺が負けてしまうからけっして声をたてるんでねぇど」

と言ったんだってさ。

あくる日の晩、淵ではうなぎと蜘蛛がすさまじい戦いをしていたんだと。藤助は隠れてその様子を見ていたんだけど、あまりの恐ろしさに思わず

「あっ」

と声をあげてしまったんだと。藤助が声をあげてしまったもんだからうなぎは負けてしまい、首をちょん切られたんだと。
その首が藤助の目の前に飛んでいき恐ろしい形相で藤助を見つめていたんだってなぁ。
それからというもの藤助は気がちがってしまい、とうとう死んでしまったんだと。

それからというものこの淵を藤助淵と呼んでいるんだとさ。
【2005/11/15 17:12】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
第六話 渕よもやま話 その1 賢淵
「賢淵」


むかしなぁ、一人の若ぇもんが崖を下り淵の上に突き出た大きな岩にのって釣りをはじめたんだと。この淵はなぁ、広瀬川が高い岸にぶつかっていたもんでふかいふかい淵でなぁ、魚がいっぱい泳いでいたんだと。

ところが、しばらくまっていてもいっこうに釣れねぇもんだから

「一服してまつべなぁ」

とたばこをぷかーり、ぷかーりすいながらまっていたんだと。若ぇもんはねっころがりながら煙草を吸っていたところ、なんだか足の方がむずむずしてきたんでなぁ。

「なんだぁ、虫でもいるべかぁ」

と思い足を見ると一匹の小さな蜘蛛が淵からあらわれては、若ぇもんの足首に糸を出しながらなんどもなんども淵からあらわれては若ぇもんの足首に糸をかけたんだと。
たばこをすい終わった若いぇもんが立ちあがろうとした時、

「この糸を切ってしまうのももったいないべ」

と思ったもんで、そっと足首からはずして近くにあった木にかけたんだと。

そうしたら、

どどどどどどどどどどどどどどどどどど、

と淵から大きな音がして若ぇもんが糸をかけた木が根元から引っこ抜かれて、あっという間に淵の中に落ちてしまったんだと。

淵のからは

「賢い、賢い」

という声が聞こえたんだと。若ぇもんは青い顔して逃げ帰ったんだと。
それからというものなぁ、この淵を「賢淵」と呼ばれるようになったんだと。



いかがでしたでしょうか?それでは続けましてメルマガ「江戸の怪談」の発行者であり ますryoさんのご協力によります「不思議懐胎」をお送りいたします。
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【2005/11/14 17:10】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
第四話 小鶴の池 その2(青葉区愛子)
「小鶴の池」


むかしなぁ、ある長者の家さ住み込みで働いているおっかあがおったんだと。おっかあにゃあ病気で死んだおっとうとのあいだに小鶴とちゅうあかんぼがいてなぁ、そんなわけだか
らおっかあが一人でまいにちまいにち、あかんぼを背負って朝から晩まで働いていたんだと。

長者はその姿を見て
「あかんぼ背負っているんだったら手間賃はやれんなぁ」
二、三人分働かされたりと、いじわるされていたんだと。

おっかあは何度死のうか考えたかわかんねぇけど、小鶴のため、小鶴のためとがんばって働いたんだと。んだども長者のいびりが続くもんだからなぁ、仕方なくおっかあは小鶴を家において仕事さでかけたんだと。
「小鶴や、少しの辛抱だからなぁ」
と小鶴をおいて仕事が終わるとすぐに小鶴のとこにかけつけて乳を与えたんだと。

そんなある日のこと、おっかあは長者からいいつけられた仕事が長引いたもんで夜更けにようやく終わったんだと。おっかあは急いで小鶴のもとにかけつけたんだと。そうしていつものように乳を与えようとしたらなぁ、飢えのためか小鶴の体が冷たくなっていたんだと。

おっかあは泣きわめきながら近くにあった池に身を投げたんだってなぁ。おっかあが池に飛び込んでからというものまいばんまいばん、
「小鶴やー… 小鶴やー…」
という声が聞こえるようになったんだと。

母子が身をなげた池を村人達が悲しんで「小鶴ヶ池」と呼んでいたんだけど、その池は涸れてしまったんだと。小鶴ヶ池があったところを母親の小鶴に対する思いから「愛子(あやし)」と呼ぶようになったんだと。



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【2005/11/10 17:01】 | 民話(仙台市青葉区) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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